世田谷区で庭木を切る前に。幹周り80センチ以上なら伐採届が要ります
「うちの庭の木、切るだけなのに区に届けが要るんですか」
世田谷区でご相談をいただくと、この質問がよく出ます。結論から言うと、木の大きさによっては要ります。世田谷区には「みどりの基本条例」があり、一定の大きさを超える樹木を切るときは、切る前に区へ届け出ることになっています。
自分の敷地の、自分で植えた木でも対象になります。まずは、ご自宅の木がその大きさに当てはまるかどうかを確かめるところからです。
対象になるのは、幹周り80センチか、高さ10メートルから
世田谷区の資料には、届出が必要な樹木の基準がはっきり書かれています。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 幹の太さ | 地上1.5メートルの高さで、幹周り80センチメートル以上 |
| 木の高さ | 高さ10メートル以上 |
このどちらかに当てはまる木を伐採する所有者は、伐採前に届け出ることとされています。両方を満たす必要はありません。片方でも当てはまれば対象です。
幹周り80センチというのは、直径にするとおよそ25センチです。数字で聞くと大きく感じますが、実物は思ったより細く、見ただけでは判断を誤りやすい太さです。地面から1.5メートルの高さに印をつけて、そこにメジャーを一周させて測ってください。腕で抱えた感覚で決めてしまうと、対象の木を対象外と思い込んだまま切ってしまうことがあります。
高さ10メートルは、三階建ての家の屋根とだいたい同じくらいです。庭のケヤキやクスノキ、長く育ったマツは、この線を超えていることが珍しくありません。
数字が微妙なときは、無理に自己判断しなくて大丈夫です。実測して区に相談すれば確認できます。
切る前に、残す道がないかも一度
世田谷区は、伐採の計画を立てる前に、樹木の保全、移植、代替植栽の検討をお願いします、としています。届け出れば切ってよい、という順番ではなく、まず残せないかを考えてほしい、という趣旨です。
区には樹木移植助成の制度もあります。場所を移せば残せる木なら、先に調べておくと選べる道が増えます。
大きくなりすぎて手に負えない、日当たりが悪くなった、という理由でのご相談は多いのですが、切らずに仕立て直すだけで収まることもあります。切ると決める前に、一度ご相談いただければと思います。
届出先は、お住まいの地域の総合支所です
提出先は区役所の一か所ではなく、届け出る土地を管轄する総合支所の街づくり課です。世田谷区の資料に載っている連絡先は次のとおりです。
| 総合支所 | 街づくり課 電話 |
|---|---|
| 世田谷総合支所 | 03-5432-2460 |
| 北沢総合支所 | 03-5478-8076 |
| 玉川総合支所 | 03-3702-4573 |
| 砧総合支所 | 03-3482-1398 |
| 烏山総合支所 | 03-3326-9618 |
提出するものも決まっています。伐採届(第18号様式)を2部、案内図・既存樹木等現況図・計画図を各2部、現況写真と撮影位置図を2部。様式は区のページからPDFとWordでダウンロードできます。
制度そのものについての問い合わせ先は、みどり政策課(03-6432-7904)です。
大事なのは時期です。届出は「伐採前」とされています。切ってから出すものではないので、業者の手配より先に、あるいは並行して進めておくと段取りがつまずきません。
届出が要らない場合もあります
すべての伐採に届出が必要なわけではありません。区の資料には、届出が不要な場合が挙げられています。
- 他のみどりの保全のための除伐など
- 農業、林業、造園業などの事業としての樹木の伐採
- 枯れた樹木、または危険な樹木の伐採
- 非常災害の応急措置としての伐採
- すでに他の制度で許可・届出を受けた樹木の伐採
二つめの項目は誤解されやすいところです。区の資料で届出をすることとされているのは、一貫して「伐採を行おうとする所有者」です。造園業者に頼めば届出が要らなくなる、という意味ではありません。ご自宅の庭木を業者に切ってもらう場合は、通常どおり所有者の届出が必要だとお考えください。
最後の項目には、都市緑地法の特別緑地保全地区で許可を受けた樹木、東京都風致地区条例で許可を受けた樹木、みどりの基本条例の保存樹木等、特別保護区で許可を受けた樹木、建築行為のときにみどりの計画書で届け出た樹木、道路法第24条の自費工事の承認を受けた樹木が含まれます。
台風で幹が裂けた、枯れて倒れそうだ、というケースは「枯損した樹木または危険な樹木」に当たる可能性があります。ただし、当てはまるかどうかを自分で決めてしまうより、写真を撮っておいて総合支所に一度確認するほうが確実です。
みどりの計画書を出した木、風致地区の木は、別の枠組みです
家を建てるときに「みどりの計画書」を出した記憶がある方は、その書類のなかで庭の木を扱っている場合があります。建築行為の際にみどりの計画書で届け出た樹木は、伐採届が不要な樹木として挙げられています。
ただし、この扱いになるのは計画書に載っている樹木だけです。提出したあとにご自身で植えた木や、そもそも書類に含まれていなかった木は対象外です。書類が手元に残っていれば、どの木が載っているかを確かめてみてください。
みどりの計画書そのものは、建築や開発をするときの制度です。区の資料で挙げられているのは、敷地面積250平方メートル以上の建築物の新築・増築、都市計画法第29条第1項の許可が要る開発行為、面積150平方メートル以上かつ収容20台以上の駐車場の設置、風致地区内で敷地250平方メートル未満の建築などです。150平方メートル以上250平方メートル未満の敷地には別の様式が用意されています。敷地の広さだけで決まるわけではないので、ご自宅が当てはまるかは街づくり課で確かめるのが早いです。
風致地区も別の制度です。東京都風致地区条例で許可を受けた樹木は伐採届の対象外とされています。裏を返すと、風致地区にお住まいなら、まずそちらの許可の話が先に来ます。みどりの基本条例の伐採届とは別物なので、「伐採届を出したから風致地区のほうも済んだ」とはなりません。ご自宅が風致地区に入っているかどうかは、住所を伝えれば総合支所で確認できます。
このほか、地区計画に基づく伐採届があります。区の資料では、地区計画によっては樹木を伐採する際に届出が必要な場合があるとされ、窓口は同じく総合支所の街づくり課です。大規模な建築物を建てる場合には、環境基本条例に基づく環境配慮制度で、既存樹木の保存や伐採について事前協議が必要になることもあります。
もうひとつ、世田谷区風景づくり条例に基づく木竹の伐採の届出が別途必要になる場合があります。こちらは都市整備政策部都市デザイン課(03-6432-7153)への事前相談が案内されています。
制度が三つ四つ並ぶと面倒に見えますが、ご自宅がどれに当たるかは、住所と敷地の広さが分かれば窓口で整理してもらえます。
木のほうは、庭番でご相談ください
書類の話と、実際に木を切る話は別です。幹周り80センチを超えるような木になると、どこから枝を落とすか、隣家や電線をどう避けるか、切ったあとの幹や枝をどう運び出すかで、進め方が変わります。切らずに小さく仕立て直したほうが収まることもあります。
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採、抜根、剪定、草刈り、庭の片付け、植栽・植え替えをお受けしています。八年で二千件ほどの現場を見てきました。届出が要りそうな大きさの木かどうか、現場で拝見して分かる範囲はお伝えできます。
お庭の写真を送っていただければ、できることをお返事します。料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。ご相談は電話でもLINEでも構いません。
参考にした資料
この記事は2026年8月時点の内容をもとに書いています。制度は変わることがありますので、最新の内容と、ご自宅が対象かどうかの判断は、世田谷区の公式ページと総合支所の街づくり課でご確認ください。