世田谷区の緑化助成は、工事を頼む前に申請します。順番と対象外の条件
「生垣にすると区から助成が出ると聞いたのですが、もう工事を頼んでしまいました」——このご相談を、たまにいただきます。
残念ながら、この順番だと助成は受けられません。世田谷区の緑化助成は、工事を発注する前に区へ申請しておく制度だからです。植えたあとで「実は助成があった」と気づいても、さかのぼって申請することはできません。
申請は、工事を発注する前に出す
世田谷区の緑化助成は、区内で道路沿いを緑化したり、屋上緑化などを整備しようとする土地・建物の所有者を対象に、緑化に必要な費用の一部を助成する制度です。
区の公式ページには、次のように書かれています。
必ず工事発注及び資材購入前に申請してください
区切りになるのは「工事が終わったかどうか」ではありません。「発注したかどうか」「資材を買ったかどうか」です。まだ木を一本も植えていなくても、業者に発注した時点、あるいは苗木や資材を買った時点で、その工事は対象から外れます。
申請から適用決定までには、区の説明で2週間程度かかるとされています。工事の日程を先に押さえてしまうと、この2週間が待てなくなります。助成には件数の上限もあり、予定件数に達すると受付が終わります。考えはじめた時点で、早めに区へ相談しておくのが確実です。
事前相談から助成金の支払いまでの順番
区が示している手続きの流れは、次のとおりです。
- 事前相談
- 申請書の提出
- 緑化工事
- 完了報告(区による現地確認)
- 請求書の提出
- 助成金の支払い
工事が3番目にあるところが、この制度の要点です。事前相談は、窓口のほか、24時間利用できる電子受付でも受け付けています(システムメンテナンス時を除く)。まず何が対象になるか聞いてみたい、という段階でも使えます。
もうひとつ、日程で気をつけたいのが年度の区切りです。区の案内では、申請手続きから請求書の提出までを同一年度内(4月から翌年3月中旬まで)に行うこととされています。工事のあとの完了報告や現地確認だけでなく、請求書の提出まで3月中旬までに終わっている必要があります。年明けに動きはじめると、この線に間に合わないことがあります。
対象外になるのはどんな工事か
区の公式ページには、対象外となる方と、対象外となる工事が、それぞれ挙げられています。
| 対象外になる方 |
|---|
| 国や地方公共団体の外郭団体等 |
| 売買を目的とする土地・建物に緑化を整備する不動産業者等 |
| 建築基準法その他の法令、条例等に違反する者 |
| 過去に同一敷地または同一建物においてこの助成を受けた方 |
| 対象外になる工事 |
|---|
| 助成金の適用決定前に資材の発注など、整備に着手した工事 |
| 既存の樹木の撤去・植替えを伴う工事 |
| みどりの基本条例または東京都風致地区条例に基づき必要とされる工事 |
| ほかの助成金等を受けて実施した工事 |
工事のほうの二つ目が、実際のご相談でいちばん引っかかるところです。「大きくなりすぎた木を切って、代わりに小さめの木を植えたい」という工事は、既存の樹木の撤去・植替えを伴うため、対象から外れます。緑化率のために植えた木が育ちすぎて困っている、という場合の考え方は緑化率で植えた木が育ちすぎた。切ってしまっていいのか(世田谷区)にまとめています。庭を新しく緑にする、塀だったところを生垣にする、といった、みどりが増える方向の工事が対象になります。
ただし、みどりが増える工事なら何でも通るわけではありません。新築や増改築に合わせて条例上の義務として行う緑化は、三つ目に当たるため対象から外れます。建て替えのタイミングで塀をやめて生垣にする場合は、その緑化が条例で必要とされるものに当たるかどうかで扱いが変わりますので、建物の計画と一緒に事前相談の段階で区に確認してください。
「過去に同一敷地または同一建物においてこの助成を受けた方」も見落としやすい条件です。ご自宅を買われる前に前の所有者が使っていた、という場合もありますので、心当たりがなくても事前相談のときに一度確認しておいてください。
区が公開している活用事例のページでは、シンボルツリーの植栽、生垣の植栽、フェンス緑化、植栽帯の造成、屋上緑化、壁面緑化が紹介されています。ご自宅の工事がどれに当てはまりそうか、見ておくと相談がしやすくなります。
ブロック塀を撤去して緑にしたい場合
「古いブロック塀をやめて、生垣にしたい」というご希望はよくあります。この場合、緑化助成とは別に、世田谷区のブロック塀等撤去工事助成事業があります。対象になるのは、コンクリートブロック塀、鉄筋コンクリート組立塀、大谷石塀、その他組積造の塀で、道路に面していて、道路面からの高さが80センチメートルを超えるもののうち、安全性が確認できない塀とされています。
高さの起点は道路面です。敷地が道路より高い場所では、庭に立って見た高さと、道路から見た高さが違います。ご自身の目分量で決めず、道路側から測ってみてください。
隣地との境にある塀は対象外です。幅4メートル未満の狭あい道路に面した塀も対象外とされていますが、区はその場合に別の助成事業(狭あい道路拡幅整備に伴う奨励金・助成金)があると案内しています。前面道路が狭いお宅は、ここで諦めずにそちらを確認してください。
助成を受けられるのは、次の4つをすべて満たす方です。
- ブロック塀等の所有者、または土地所有者(共有の場合、共有者全員の同意が必要)
- 法人でない(ただしマンション管理組合法人は除く)
- ブロック塀等撤去工事の発注者である
- 住民税を滞納していない
三つ目の「撤去工事の発注者である」が、見落としやすい条件です。工事の手配を人に任せきりにして、発注者がご自身の名前になっていないと、ここで外れることがあります。誰の名前で発注するかは、契約を交わす前に決めておいてください。
こちらも、順番の考え方は同じです。区の案内では、助成金の交付決定通知前に撤去工事に着手した場合は対象外になるとされています。塀を壊してから申請、では間に合いません。窓口は緑化助成とは別で、防災街づくり課の耐震促進担当(03-6432-7177)です。緑化助成はみどり政策課(03-6432-7905)が窓口になります。
ただし、二つの制度に両方申し込めばよい、という話ではありません。緑化助成には「ほかの助成金等を受けて実施した工事」が対象外という条件があり、一方で緑化助成のページには、緑化に伴うブロック塀等の撤去についても費用の一部を助成すると書かれています。塀を撤去して生垣にする工事は、どちらの制度からも見える工事です。事前相談の段階で二つの課の両方に工事の内容を伝えて、どの制度で申請するのが適切かを確認してください。
順番のところから、ご相談ください
助成を使うつもりなら、業者に発注する前に区へ相談する。ここさえ押さえておけば、大きく外れることはありません。とはいえ、「この工事は既存樹木の植替えに当たるのか」「うちの塀は対象の高さなのか」といった判断は、庭を見ないと分からない部分もあります。なお、いまある木を切るほうが先になる場合は、幹の太さによっては区への届出が要ります。そちらは世田谷区で庭木を切る前に。幹周り80センチ以上なら伐採届が要りますにまとめました。
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採・剪定・抜根・草刈り・庭の片付け・植栽をお受けしています。生垣を新しくつくりたい、塀をやめて緑にしたいというご相談も承っています。お庭の写真を送っていただければ、いまの状態を見たうえで、区への相談を先に入れておいたほうがよさそうかどうかも含めてお伝えします。
助成の申請そのものは、土地・建物の所有者ご本人が区へ行う手続きです。日程を決める前にひと声かけていただければ、決定通知を待つ期間を見込んだ組み方ができます。ご相談は電話またはLINEで承っています。料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。
参考にした資料
この記事は2026年8月時点の内容をもとに書いています。助成の条件や金額、受付状況は変わることがありますので、最新の内容は世田谷区の公式ページでご確認ください。