緑化率で植えた木が育ちすぎた。切ってしまっていいのか(世田谷区)
家を建てたときに植えた木が、十数年たって思っていたより大きくなった。枝が隣にかかる、日が入らない、落ち葉の掃除が追いつかない。そういうご相談をよくいただきます。
このとき、世田谷区では気をつけたほうがいいことがあります。お住まいによっては、敷地の緑をある割合以上に保つ義務がかかっていることがあるためです。木を切ったままにすると、その割合を下回ってしまう場合があります。
平成22年10月からの決まり
世田谷区では、平成22年10月1日から緑化地域制度が導入されています。敷地の広さが一定以上の土地で新築や増築をするときに、敷地の一部を緑にすることが求められる仕組みです。
家を建てるときに「みどりの計画書」を出した記憶がある方は、この制度に関わっている可能性が高いと思います。緑化の工事が終わらないと建物の完了検査が受けられないため、当時、庭に木を植えることが工事の一部として組み込まれていたはずです。
制度が始まってから16年が経ちました。当時植えられた苗木は、いま十分に大きく育っている時期です。
植えたあとにも義務が続きます
見落とされやすいのがここです。区の資料には、次のように書かれています。
緑化地域制度が適用された建築物は、将来的にも基準以上の緑化率を維持していくことが都市緑地法により義務付けられています。
つまり、建てたときに緑化の基準を満たせば終わり、ではありません。その後もその状態を保つことが求められています。
そして、基準を下回った場合についてもはっきり書かれています。
樹木が枯れたり、敷地利用を変更したために基準緑化率を下回ってしまった場合は違法状態となりますので、樹木の植え直しや植栽地の追加などにより、適法化することが必要となります。
木が枯れた場合が例として挙げられていますが、伐採で緑が減った場合も、結果としては同じことが起こります。
だから「切って、植える」がひとつの作業になります
大きくなりすぎた木を切ること自体は問題ではありません。切ったあとに緑化率が基準を下回るなら、植え直しや植栽地を足すことで戻せばよい、と区の資料は書いています。
現場の感覚としても、この考え方は理にかなっていると思います。大きく育ちすぎた木を一本切って、その場所に、その庭の広さに合った育ちかたをする木を植える。そうすれば手入れの負担は下がり、緑もなくならない。切りっぱなしにするより、結果的にお庭が扱いやすくなることが多いです。
庭番では伐採だけでなく、植栽や植え替えもお受けしています。「この木は切りたいが、庭が寂しくなるのは困る」というご相談は、実際によくいただきます。
ご自宅が対象かどうかの調べ方
すべての家に緑化率の義務がかかっているわけではありません。敷地の広さと、いつ建てたかによって決まります。
はっきりさせたい場合は、世田谷区のみどりを担当する部署に問い合わせるのが確実です。建てたときの「みどりの計画書」の控えが手元にあれば、話が早く進みます。
なお、風致地区にお住まいの場合は、木を切ること自体に区長の許可が必要になります。こちらは制度が別なので、あわせて確認しておくと安心です。
木を見てから、お伝えします
緑化率の話は書類の上の話ですが、実際に判断が要るのは「その木をどうするか」です。切るのか、小さく仕立て直すのか、切って別の木を植えるのか。木の状態と、お庭の広さと、これから先どのくらい手をかけられるかによって変わります。
お庭の写真を送っていただければ、できること・おおよその費用をお返事します。お見積りは無料、出張費もいただきません。
参考にした資料
この記事は2026年8月時点の内容をもとに書いています。制度は変わることがありますので、最新の内容は世田谷区の公式ページでご確認ください。