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費用と業者えらび

伐採の見積書はどこを見るか。切る費用と処分費が別になる理由(世田谷区)

「一式、とだけ書いてあるんですが、これで合っているんでしょうか」——見積書を受け取った方から、よく出てくる一言です。金額そのものより、何にいくらかかっているのかが見えないほうが落ち着かない、という方が多いように思います。庭木の伐採に公定価格はありませんが、費用がどの項目に分かれるものなのかは、内訳を必ず立てている公共工事の設計書を見ると分かります。

国の設計書では、切ると抜くと捨てるが別に立っている

国土交通省近畿地方整備局の姫路河川国道事務所が公表している「国道2号29号街路樹維持工事」工事設計書(令和では、街路樹維持作業の下に、剪定、伐採、抜根、補植、移植、除草、枯木処分といった種別が並びます。切ることと、根を抜くことと、植え直すことが、それぞれ別の行です。

伐採はさらに幹周りで分かれ、20センチ未満から120センチ未満まで五段と、低木。抜根も同じ区分で立っていて、細い木と低木では抜根のほうが軽く、幹周り60センチを超えると抜根のほうが重くなります。太くなるほど根の張る範囲と掘る量が増えるからで、切るのと抜くのは別の作業だという前提が、国の積算の側でもそうなっています。

処分費は作業とは別の枠で、幹、根、枝葉、竹、草に分かれ、単位はトン。作業は本で数え、処分は重さで数えます。ほかに交通誘導警備員や標識車といった交通管理の項目、共通仮設費・現場管理費も積まれます。公道の街路樹の話なので庭とそのまま同じではありませんが、費用が「木を切る手間」だけでできているわけではない、という構造は共通しています。お庭の作業の目安はサイトの料金表をご覧ください。ここで見ておきたいのは金額の水準ではなく、項目の立て方のほうです。

処分が別勘定になるのは、行き先と責任が別だから

環境省の中央環境審議会の資料(平成7月)産業廃棄物の木くずとして挙げられているのは、建設業、木材又は木製品の製造業、パルプ製造業、輸入木材の卸売業に係るものと、PCBが染み込んだものに限られます。庭木を切って出た枝や幹は、業者が作業したものであっても工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものではないので、一般廃棄物のままです。

ただし、事業として出したものは家庭ごみとは別扱いです。世田谷区は事業者の責任で処理するのが原則としたうえで、許可業者への委託と自ら処理施設へ運ぶ方法に加えて、少量(日量10キログラム未満、収集で30キログラム未満・45リットルの袋で概ね3袋以内)なら事業系有料ごみ処理券を貼って区の収集に出す道も置いています(ページ更新日8月)。伐採で出る幹や枝がこの範囲に収まることは多くありません。

そうなると、残る道は許可業者への委託か、自ら処理施設へ運ぶかになります。切って出た幹や枝は、家庭ごみの収集にそのまま出せるものではない、ということです。運び出しと処分は木を切る作業とは別に手間がかかります。伐採費・運搬費・処分費が別の行になるのは、そもそも別々に費用が発生しているからです。

枝をご自身で出す場合の太さや長さの決まりは自治体ごとにあります。世田谷区の分は世田谷区で剪定した枝や草の出し方。太さ10センチ・長さ50センチまでと束ね方の決まりまとめてあります。

「一式」だけの見積りで、聞いておきたいこと

一式表記が悪いわけではありません。公共の設計書でも種別の行は「式 1」書かれています。ただしその下に必ず細別と数量が並びます。手元の見積りが一式で止まっているなら、その下にあるはずのものを聞けばいい、ということになります。

特定商取引法では、訪問販売にあたる取引について、役務の種類、対価、代金の支払時期と方法、役務の提供時期などを書面に記載することが定められています。見積書一般の義務ではありませんが、何をいくらで、いつ払い、いつやるのか、の四点はどんな見積りでも押さえておきたい中身です。

追加が出るとしたら、たいていこのあたり

太さ、根、量、現場の条件の四つです。太さが一段変わると単価の段が変わるので、目測で「30センチくらい」していた木が、巻いて測ったら区分をまたいでいた、ということは起こります。切り株を残すか抜くかで作業は変わり、根がブロック塀や配管の下まで回っていれば別の相談になります。処分は重さで動くので、落とした枝葉が想定より多い、幹が中まで詰まっていて重い、といったことは切ってみるまで分かりません。道路に車を停めて作業するなら交通誘導が要ることもあります。どれも見積りの段階で現地を見てもらえば、たいてい先に分かります。

そのものの条件でどこが動くかは、世田谷で伐採を頼むと、見積りのどこで金額が変わるのか書いています。

訪ねて来た業者と、その場で決めてしまった場合

東京都の消費生活相談には、高齢で一人住まいの母親宅を訪問した植木屋が、事前の見積もりの説明なく庭木伐採と雑草抜きを行い、領収書だけを渡したという事例が載っています(東京くらしWEB、更新日11月)。都は、訪問販売は特定商取引法で規制されていること、業者は法律で決められた内容を記載した契約書を渡す義務があること、クーリング・オフ期間は契約書を受け取ってから間であることを案内しています。ただ、切ってしまった木は元に戻りません。作業に入る前に書面を受け取っておく、という順番になります。

庭番にご相談いただけること

庭番は世田谷区とその周辺で、伐採・抜根・剪定・草刈り・庭の片付け・植栽や植え替えを請けています。八年、二千件ほど木を見てきました。見積りは、木の本数と太さ、抜根の有無、処分の量、運び出す経路を分けて出しています。料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。木の全体と、家から道路までの経路が写った写真があると、電話やLINEでも話が進みます。ご連絡は電話かLINEでお願いします。

参考にした資料

この記事は8月時点で公開されている資料をもとにしています。手数料や受け入れの条件、制度の区分は変わることがあります。公共工事の設計書は公道の街路樹を対象に積算されたもので、個人のお庭の作業の価格を示すものではありません。ここに書いたのは費用の項目立ての説明で、個別の見積りが妥当かどうかの判断ではありません。最新の内容はそれぞれの窓口でご確認ください。

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