費用と業者えらび
伐採の追加料金を防ぐには。下見で伝えることと、見積書に書いてもらう範囲
2026-09-05
「電話で金額は聞いたんですが、当日になって高くなることはありますか」——お問い合わせでよく出る質問です。心配されているのはたいてい、作業が終わってから言われることのほうです。
現地を見ないで出した金額は、動くことがある
電話や写真だけで出る金額は、伺った条件をもとにした概算です。実際に庭に立つと、聞いていた条件と違うところが出てきます。
国土交通省の公共工事標準請負契約約款の第十八条は、現場の形状や地質、施工上の制約等が設計図書の条件と一致しないと受注者が気づいたときは、直ちに監督員に通知して確認を請求しなければならない、確認され必要と認められれば設計図書を訂正または変更し、工期や請負代金額を変更する、と定めています。国が示すひな型でさえ、知らせる・調べる・書き直す・金額を見直す、という段取りを先に決めてあります。個人宅の庭に適用されるものではありませんが、考え方は参考になります。
下見で伝えておくと、あとの食い違いが減ること
約款が挙げているのは、現場の形状、地質、施工上の制約です。庭に置き換えると、次のようになります。
| 伝えること |
ここが変わる |
| 木の高さ、幹の太さ、本数 |
切り方と処分量 |
| 隣家・塀・物置・電線との距離 |
倒せるか、吊って下ろすか |
| 門の幅、通路、階段、車を停める場所 |
積み込むまでの時間 |
| 枝葉を持ち出すか、庭に残すか |
処分の量 |
| 切り株、竹・つる・石の有無 |
別作業になるか |
| 水道管・ガス管・浄化槽の位置、境界 |
掘る作業の可否 |
あとで効いてくるのは搬出経路です。一輪車が通るか、抱えて階段を上がるかで時間が変わります。
見積書のどこで金額が積み上がるのかは伐採の見積書はどこを見るか。切る費用と処分費が別になる理由(世田谷区)に、条件ごとの動き方は世田谷で伐採を頼むと、見積りのどこで金額が変わるのかに書きました。
見積書に書いてもらうとよい範囲
国土交通省近畿地方整備局の資料は、建設業法第十九条第一項が請負契約の書面に求める記載事項として、工事内容、請負代金の額、着手と完成の時期、設計変更時の代金の変更とその算定方法、支払の時期及び方法などを挙げています。庭木の作業でも、項目は見積書に置き換わります。
- どの木を何本、どこまで切るか
- 切った枝葉を、どこまで持ち出すか
- 金額と、その内訳
- 作業の日と、かかる日数
- 想定と違ったときに、金額をどう決め直すか
- 支払いの時期と方法
揉めやすいのは五つ目です。金額が変わるときの決め方が書いていないほうが、金額そのものより困ります。
増えそうになったとき、増えたと言われたとき
現地を見ても、掘ってみるまで分からないことは残ります。根が張っていた、古い基礎が出てきた、といったことです。想定と違うところが出たら、その場で手を止めて金額を出し、こちらが決めてから先に進む。約款第十八条も、通知して確認を請求し、調査し、必要があれば書き直して金額を変える、という順番です。作業を終わらせてから報告する形にしない、ということです。
説明も同意もないまま金額だけが上がっているなら、まず内訳です。どの作業が増えたのか、当初の見積りのどの項目への追加なのか。建設業法第十九条第一項が変更額の「算定方法」まで書面の記載事項に挙げているのは、増額の決め方を先に決めておくためです。決めていなかったのなら、あとからでも根拠を示してもらうのが筋です。その場で全額を払い切らないこと、見積書やチラシ、やりとり、作業前後の写真を残すことも大事です。
切り株を抜くかどうかは、当日に追加になりやすい代表です。切り株は抜いたほうがいいのか。残す・枯らす・抜くの分かれ目(世田谷区)に分かれ目を書きました。
頼んでいないのに来た業者の話は、別に考える
向こうから来た場合は、別の制度が働きます。東京都の消費生活相談には、一人住まいの高齢の母親の家に植木屋が来て、金額を答えないまま庭木3本を切り、代金を請求した事例があります。渡されたのは領収書だけでした。
都の回答は、これは高齢者をねらった訪問販売であり、業者には法律で決められた契約書を渡す義務があり、クーリング・オフ期間は契約書を受け取ってから8日間、すでにサービスが提供されていても費用を負担せずに解約できる、というものです。書面にクーリング・オフのことが記載されていなければ、法律で決められた書面とは言えない、ともしています。消費者庁も、起算点は法律で決められた書面を受け取った日から8日以内としています。領収書だけ、金額のメモだけなら、その書面を受け取っていません。日が経っていても自分で判断せず相談してください。
自分から呼んだ場合でも、消費者庁のQ&Aは、適用除外になるのは、契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居で行いたい旨の明確な意思表示をした場合に限られる、と説明しています。チラシの安い表示額を見て修理を頼んだのに大きく上回る額を請求された事例は、明確な意思表示があったとは言えず適用除外にならない、と当てはめられています。自分の場合は窓口で聞くのが確実です。
相談先は、世田谷区の消費生活相談専用電話03-3410-6522(区内在住・在勤・在学/月〜金 午前9時〜午後4時30分、土は午後3時30分まで電話のみ)、区内在住65歳以上の方の高齢者専用電話03-5486-6501です。日曜・祝日は、世田谷区のページが消費者ホットライン(局番なしの188、午前10時〜午後4時)を案内しています。
庭番にご相談いただけること
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採・抜根・剪定・草刈り・庭の片付け・植栽を請けています。八年、二千件ほど木や草を見てきました。料金の考え方は料金のページに載せています。
見積りは現地を見てからお出しし、掘ってみないと分からない部分は、増える可能性のある範囲を先にお伝えします。途中で想定と違うところが出たら、手を止めて金額をお伝えし、決めていただいてから進めます。木の全体、幹の根元、門までの通り道。この三枚の写真があると、電話やLINEでも話が早くなります。
参考にした資料
この記事は2026年9月時点の資料によります。電話番号と受付時間は変わることがあります。