費用と業者えらび
家の解体・売却前の庭木は誰に頼むか。解体見積書の見方と伐採を分ける段取り(世田谷区)
2026-10-20
「実家を解体して売ることになりました。
解体の見積りはもらったけれど、庭の木のことはどこにも書いていなくて。
これは解体屋さんに一緒にやってもらうものなんでしょうか」。
こういうご相談をいただきます。
庭木は、解体業者がまとめて引き受けることもあれば、見積りの範囲から外れていることもあります。
この記事では、解体見積書の見方、伐採を分けて頼むときの段取り、世田谷区の手続きとの関係を順に書きます。
費用の目安は庭番の伐採の料金表をご覧ください。
解体の見積りに含めてもらう場合は、庭木の分が付帯工事や「一式」の中に入り、庭木だけの金額が分からない形になることがあります。
伐採を分けて頼む場合は、切る費用と処分費が別々に見積書に出ます。
内訳の読み方は 伐採の見積書はどこを見るか。切る費用と処分費が別になる理由(世田谷区) に書いています。
建て替えで新しい家の計画の中で木をどうするかを考えている方は、家を建て替える前に。世田谷区のみどりの計画書と、いまある木の扱い をご覧ください。
標準見積書の様式には、庭木の行が無い
国土交通省のサイトに、全国解体工事業団体連合会がまとめた「標準見積書」の案(平成25年2月時点)が載っています。
「直接解体費」には建物の各部、外塀、外部土間、その他などの行がありますが、庭木・庭石・抜根の行はありません。
庭木を解体業者に任せる場合は、表紙の「付帯工事」の欄か、内訳の「その他」に書かれることになると考えられます。
実際の様式は会社ごとに違います。
解体の見積書を受け取ったら、次の点を確かめてください。
- 庭木の伐採が入っているか。
入っているなら何本か
- 抜根まで入っているか、地面の高さで切るだけか
- 庭石・庭池・物置が入っているか
- 切った木や石をどこへ運んで処分するか
書いていなくても「一式」の中に入っていることがあります。
範囲を見積書か契約書に書いてもらうのが確かです。
解体業者に任せるか、分けて頼むかの分かれ目
建設リサイクル法では、床面積の合計80平方メートル以上の建物の解体は届出の対象で、請負契約の書面に「分別解体等の方法」と「解体工事に要する費用」などを書いて交わすことが決められています(同法第13条)。
庭木がこの書面に入るかは、契約の範囲しだいです。
| 状況 |
考え方 |
| 低い木が数本で、全部なくしてよい |
解体業者の見積りに含めてもらい、範囲を書面にしてもらう |
| 2階を超える高い木、隣家や電線に近い木がある |
伐採を分けて頼むことも考える。 解体業者に、その木を扱えるかを先に聞く |
| 残したい木・移したい木がある |
解体の前に残す木を伝える。 移植するなら区の助成の事前申請が要る |
| 売却の条件が決まっていない |
木を残すか撤去するかを、不動産会社に先に確かめる |
切った木は元に戻せないので、売却では切る前に仲介する不動産会社に確かめてください。
世田谷区の伐採届と、移植の助成
世田谷区では「みどりの基本条例」に基づき、地上1.5メートルの高さで幹周り80センチメートル以上の木、または高さ10メートル以上の木を切る所有者に、伐採前に総合支所の街づくり課へ伐採届を出すよう求めています。
枯損した木や危険な木、非常災害の応急措置としての伐採、みどりの計画書や保存樹木等の届出をした木、風致地区の許可を受けた木などは対象外です。
更地で売る場合はみどりの計画書を出さないことも考えられるので、伐採届が要るかを木の太さと高さで確かめてください。
くわしくは 世田谷区で庭木を切る前に。幹周り80センチ以上なら伐採届が要ります に書いています。
区内の主に国分寺崖線から多摩川までの区域は「多摩川風致地区」で、伐採届とは別に東京都風致地区条例に基づく木竹の伐採の許可が要ります。
申請先は地域を受け持つ総合支所の街づくり課です。
成城・岡本・瀬田で庭木を切るときは、区の許可が要ります(多摩川風致地区) をご覧ください。
伐採届の対象と同じ大きさの木を区内へ移す場合は、移植経費の2分の1の助成があります。
上限は保存樹木が1本50万円(敷地あたり250万円)、その他の木が1本10万円(敷地あたり50万円)です。
事前に現地立会いと申請が要るので、工事を頼む前にみどり政策課(03-6432-7904)へ相談してください。
「世田谷区風景づくり条例」に基づく伐採の届出は別で、都市デザイン課(03-6432-7153)への事前相談が案内されています。
分けて頼むときの段取りと日程
解体の日程から逆に数えると組みやすくなります。
| いつまでに |
何をするか |
誰が |
| 木を切る前 |
伐採届・風致地区の伐採許可(該当する場合) |
木の所有者 |
| 移植工事の前 |
移植助成の現地立会いと申請(移す場合) |
木の所有者 |
| 解体の着工7日前まで |
建設リサイクル法の届出(床面積80平方メートル以上) |
発注者 |
| 解体の着工7日前まで(吹付け石綿等を使った建物は14日前まで) |
解体工事の標識を現場に設置 |
解体工事を行う側 |
| 解体の着工3日前まで |
近隣への説明 |
解体工事を行う側 |
標識と近隣説明は、区の「解体工事等の事前周知に関する指導要綱」に基づく案内です。
古い家では石綿が使われていることがあるので、どちらの期限に当たるかを解体業者に確かめてください。
- 解体業者の下見で、庭木を見積りに含めるかを決める
- 分けるなら伐採の業者にも下見してもらい、切る木・残す木・抜根の有無を決める
- 伐採届や移植の申請が要るなら先に出す
- 伐採を解体の前に済ませるか同じ期間にするか、抜根をどちらがするかを両方の業者に伝える
同じ日に両方の作業車が入ると、場所が足りなくなることがあります。
抜根や庭石の運び出しがどちらの見積りにも入っていない、ということも起こりえるので、境目は書面で両方に伝えてください。
庭石は世田谷区では収集できない品目で、区は処理業者に頼むよう案内しています。
庭番にご相談いただけること
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採、抜根、剪定、草刈り、庭の片付け、植栽・植え替えを請けています。
八年、二千件ほど木や草を見てきました。
解体や売却の前に庭木だけを分けて頼みたい、というご相談も承ります。
下見で切る木と残す木、抜根の有無、運び出す道を確かめ、作業の範囲と処分の扱いを見積書に書いてお出しします。
ご相談は電話とLINEで。
参考にした資料
この記事は2026年10月時点の世田谷区と国の公表資料によります。
伐採届の対象、風致地区の許可、移植助成の額や条件、解体工事の届出や事前周知の決まりは変わることがあります。
木を切る前と解体を頼む前に、区の最新の案内と各窓口で確かめてください。