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ご近所と法律

伐採で隣の敷地に入るとき。民法の隣地使用と事前の通知

「塀ぎわの木を切りたいけれど、こちら側からだと脚立が立てられない。お隣の駐車場に少しだけ入らせてもらえないかと思って。でも、断られたらどうなるんでしょう」。境界の近くに木がある家では、こうした相談がよくあります。

他人の土地に入るときの決まりは、民法第あります。この条文は、4月に施行された改正大きく書き直されました。この記事では、e-Gov法令検索の条文と法務省の説明資料をもとに、条文に書かれていることと書かれていないことを分けて整理します。

民法で隣地を使える三つの目的

改正後の第第1項は、土地の所有者はしています。目的は三つです。

号 条文の目的
一 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕
二 境界標の調査又は境界に関する測量
三 第二百三十三条第三項の規定による枝の切取り

三つ目の、今回の改正で加わった目的です。法務省の資料は、改正前の条文が障壁・建物の築造・修繕以外の目的で隣地を使えるかどうか不明確だったことを挙げ、目的をしたと説明しています。

ここで気をつけたいのは、三つ目が枝の切り取りだという点です。第第3項は、隣の木の枝が境界線を越えてきたとき、次のどれかに当たれば土地の所有者が自分で切れる、という規定です。

つまり条文が挙げているのは、越境してきた隣の木の枝を切るための隣地使用です。枝を切れる条件の詳しいところは、隣の家からはみ出した枝は切っていいのか。4月の民法改正で変わったことにまとめています。

自分の木を切るために入る場合は、条文に書かれていない

冒頭の相談のように、自分の庭の木を切るために隣地へ入りたい場合はどうか。第第1項の三つの目的には、自分の竹木の伐採や剪定は挙がっていません。一号の庭木が含まれるという書き方もありません。

条文の文面からは、自分の木の作業のための立ち入りを第の権利として言い切ることはできません。この場合は、お隣の了解をもらって入る、という順番で考えるのが確かです。個別の事情でどう判断されるかが気になるときは、弁護士などの専門家に確かめてください。

了解をもらう場合でも、次の節で触れるそのまま使えます。何のために、いつ、どこに、どうやって入るかが伝わっていれば、お隣も判断しやすくなります。

あらかじめ伝えることと、損害が少ない方法を選ぶこと

第で隣地を使う場合、条文は二つのことを求めています。

一つ目は第2項です。使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者と隣地を現に使用している者のために選ばなければなりません。

二つ目は第3項の通知です。隣地を使う人は、あらかじめ、次の四つを伝えなければなりません。

伝える相手は、隣地の所有者と隣地使用者の両方です。隣が貸家や貸駐車場なら、持ち主と、実際に借りて使っている人の両方に伝えることになります。法務省の資料は、通知の相手が準備をするのに足りる合理的な期間を置く必要があるとし、事案によるが緊急性がない場合は書いています。

例外もあります。あらかじめ通知するのが難しいときは、使用を始めた後に遅滞なく通知すればよい、と第3項のただし書にあります。法務省の資料は例として、急迫の事情がある場合や、公的な記録を調べても隣地の所有者が分からない場合を挙げています。作業の日の音や時間帯の伝え方は、チェーンソーの音が出る時間帯。東京都の騒音の基準と、世田谷区での近所への伝え方も参考になります。

住家に入るには、居住者の承諾が要る

第第1項のただし書は、しています。

庭や駐車場など土地の部分と、人が住んでいる家の中とで扱いが分かれています。住家に入る必要がある場合は、通知だけでは足りず、住んでいる人の承諾が要ります。承諾をもらう相手はです。持ち主が別の場所に住んでいる貸家なら、実際に住んでいる人の承諾ということになります。

損害が出たときの償金と、断られたときの考え方

第第4項は、隣地の所有者または隣地使用者が損害を受けたときは、しています。植木鉢を動かした、芝を踏み荒らした、車を移動してもらった、といったことでどの程度の償金になるかは、条文には書かれていません。作業前に、何をどこまで動かすか、養生をどうするかを話しておくと、後で食い違いが起きにくくなります。

では、断られたらどうなるか。法務省の資料は、隣地を使える権利がある場合でも、一般的に自力執行は禁止されているため、使用を拒まれた場合には説明しています。権利があるからといって、断られたまま入ってよいことにはなりません。

同じ資料は、事案ごとの判断としたうえで、隣地が空き地で実際に使っている人がおらず、妨害しようとする人もいないケースでは、裁判を経なくても適法に隣地を使えると考えられる、とも書いています。

まとめると、次のようになります。

状況 条文と資料に書かれていること
隣の越境枝を切るため、隣地に入る 第第1項三号の目的に当たる。ただし第第3項の要件満たす場合に限る。あらかじめ目的・日時・場所・方法を通知する
自分の木を切るため、隣地に入る 第第1項の目的に挙がっていない。お隣の了解をもらう
隣の家の中に入る 居住者の承諾が要る
使用を断られた 自力執行は禁止。妨害禁止の判決を求めることになる
隣地に損害が出た 所有者・隣地使用者は償金を請求できる

庭番にご相談いただけること

隣地に入らずに済む方法があるかどうかは、木の高さや枝の張り方、塀や建物との距離で変わります。庭番では下見のときに、自分の敷地側だけで作業できるか、お隣のどこを、どのくらいの時間使うことになりそうかを確かめます。お隣に伝える目的・日時・場所・方法を整理するのにも使っていただけます。世田谷区を中心に、伐採、抜根、剪定、草刈り、庭の片付けを請けています。料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。ご相談は電話とLINEで受けています。

参考にした資料

この記事は11月時点でe-Gov法令検索に掲載されている民法の条文と、法務省の公式ページ・資料によります。法令はその後の改正で内容が変わる場合があります。個別の事情での判断は、弁護士などの専門家や、最新の条文で確かめてください。

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