ご近所と法律
電線にかかった庭木の枝は誰に頼むのか。世田谷区の案内と電力会社への連絡
2026-10-11
「庭の木の枝が、前の電線に当たっているんです。
これ、うちで切っていいんでしょうか」。
木が育つと、こういうご相談が出てきます。
風が吹くたびに枝が電線をこすっている。
見ていて落ち着かないけれど、どこに言えばいいのか分からない。
そういう方に向けて書きます。
世田谷区は、まず電力会社などに見てもらうよう案内している
世田谷区は、樹木の維持管理についての案内ページで、木が電線に触れている場合は東京電力またはNTT東日本等に現地確認してもらうことを勧めています。
同じページには、連絡先として次のものが載っています。
| 連絡先 |
区のページの記載 |
| 東京電力 |
0120-995-007(フリーダイヤル)/03-6375-9803(有料) |
| NTT東日本 |
0120-444-113(フリーダイヤル)/不安全設備WEB受付 |
電柱に張られている線は、すべてが電気を送る線ではありません。
電話や通信の線もあります。
区が東京電力とNTT東日本を並べて挙げているのは、そのためです。
区のページは、どちらか一方を先に連絡するよう順番を決めてはいません。
どちらの線か分からないときは、連絡した先で線の種類を確かめてもらい、もう一方に連絡したほうがよいかも、その場で聞いておくと確実です。
東京電力パワーグリッドは、2020年2月17日のお知らせで、公式LINEアカウントを開設したと発表しています(お知らせの題名は「停電・電柱・電線など設備に関するお問い合わせが『LINE』から可能になりました」)。
その発表の時点では、電線の断線や樹木接触などについても問い合わせができるとされていました。
いまも同じ内容を受け付けているかは、同社の最新の案内で確かめてから使ってください。
自分で切らないほうがいい理由
電線の近くで枝を切るのは、感電の危険があるからです。
枝は電気を通さないように見えますが、濡れていれば話は変わります。
高枝切りばさみやのこぎりが電線に触れることもあります。
切った枝が落ちる途中で電線に引っかかり、線を傷めることもあります。
働く人を守る決まりでも、電線の近くでの作業は特別に扱われています。
労働安全衛生規則の第349条は、架空電線(電柱などで空中に張られた電線)に近い場所で、工作物の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業若しくはこれらに附帯する作業又はくい打機、くい抜機、移動式クレーン等を使用する作業を行う事業者に、感電の危険があるときの措置を求めています。
挙げられているのは、電線を移設すること、囲いを設けること、電線に絶縁用防護具を装着すること、これらが著しく困難なときは監視人を置いて作業を監視させることです。
条文が名指ししているのはこうした作業で、庭木の剪定がそのまま当たるとは書かれていません。
それでも、電線のそばで刃物や長い道具を扱う点は同じで、剪定にも同じ考え方が参考になります。
電線を動かしたり、電線に防護具をかぶせたりできるのは、その電線を管理している側です。
植木屋や庭師が、自分の判断で電線のすぐそばの枝を切ってよいわけではありません。
電線に触れている枝は、電力会社などに先に見てもらう。
この順番を飛ばさないことが大事です。
電力会社に連絡するときに伝えること
先に、急ぐ場合のことです。
電線から火花が出ている、電線が切れている、垂れ下がっている。
こういう様子を見たら、木にも電線にも近づかず、すぐに電力会社などに連絡してください。
後回しにしてよい用件ではありません。
そうでない場合は、次のことを伝えると話が早く進みます。
- 木がある場所(住所と、家のどちら側か)
- 枝が触れている線の様子(電柱から家に引き込む線か、道路沿いの線か)
- 触れている枝のおおよその太さと本数
- 風が吹くと揺れて当たる、など気づいたこと
- 木が自分の敷地のものか、隣家や空き家のものか
写真があれば、離れた場所から撮っておきます。
撮るために木や電線に近づく必要はありません。
電力会社が来て、どこまで切るのか、費用がかかるのかは、現地を見たうえでの判断になります。
電力会社の作業は電線を守るためのもので、庭木の形を整えるためのものではありません。
電線に当たる部分だけを落として終わる、ということも考えられます。
連絡の時点で、どこまで対応してもらえるのかを確かめておくと、あとで慌てません。
木が道路にはみ出している場合は、道路の管理者から連絡が来ることもあります。
その流れは道路にはみ出した枝は誰が切るのか。世田谷区の道路管理者から連絡が来る流れにまとめました。
残りの剪定は、木の持ち主が手配する
電線から枝が離れたあとも、木はまた伸びます。
電線にかからないように高さを下げる、電線側の枝を詰める、といった手入れは、木の持ち主が手配することになります。
電力会社の作業のあとで、木の形が片側だけ削れたようになることもあります。
そのまま放っておくと、数年でまた同じ場所に枝が戻ってきます。
残りの剪定を頼む先として、世田谷区は同じ案内ページで、枝の剪定や支柱の取り換え、樹木診断の相談先に一般社団法人世田谷造園協力会(03-3307-0721)を挙げています。
区が案内している相談先については、世田谷区は植木の手入れ業者を紹介しているのか。区が案内している二つの相談先にも書きました。
どこに頼む場合でも、電線に近い枝が残っているなら、その部分は電力会社などと相談してから作業します。
頼む側としては、見積りの段階で「電線に近い枝があります」と伝えておくと、段取りが組みやすくなります。
剪定の時期は、木の種類で変わります。
急がない場合は、世田谷区で庭木を切る時期。落葉樹は冬、常緑樹は春が基本で、急ぐときは別も参考にしてください。
庭番にご相談いただけること
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採、抜根、剪定、草刈り、庭の片付け、植栽・植え替えを請けています。
八年、二千件ほど木や草を見てきました。
電線に触れている枝そのものは、先に電力会社などに見てもらってください。
そのうえで、電線から離れたあとの木をどう整えるか、高さをどこまで下げるか、いっそ木を減らすか。
そうしたご相談を承ります。
料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。
ご相談は電話とLINEで。
参考にした資料
この記事は2026年10月時点の、世田谷区・東京電力パワーグリッドの公表資料と法令によります。
連絡先の電話番号や受付方法は変わることがあります。
電力会社がどこまで作業するか、費用がかかるかは、個別の状況によります。
実際に動く前に、上の各ページと電力会社の窓口で最新の内容をご確認ください。