区への届出・許可
高さ10メートル以上の木を切るなら。世田谷区の風景づくり条例の届出が要る場所
2026-10-29
「伐採届は出すつもりです。
でも、景観の届出も要ると聞きました。
うちの木も当てはまるのでしょうか」。
岡本や成城のあたりで、背の高い木を切る前に、こうした声を聞くことがあります。
世田谷区には、みどりの基本条例の伐採届とは別に、風景づくり条例にもとづく届出があります。
この届出は建物だけでなく、木や竹の伐採も対象にしています。
区のページと区が出している手引きをもとに、届出が要る場所と規模、伐採届との違い、届出までの流れを順に書きます。
風景づくり条例の届出には「木竹の伐採」が入っている
区の「風景づくり条例に基づく届出制度」のページによると、世田谷区は平成19年12月11日に景観法にもとづく景観行政団体になりました。
そのため、条例の「届出対象行為」に当たる行為をするときは、一定規模以上なら区への届出が要ります。
区の手引き「風景づくり条例に基づく建設行為等の届出の進め方」(令和6年9月)は、この届出を「景観法第16条及び風景づくり条例第29条に基づくもの」と説明しています。
届出対象行為の表には、建築物や工作物と並んで「木竹の伐採」があります。
家を建てるときの手続きと思われがちですが、木を切るだけの場合も対象になりえます。
景観計画区域は世田谷区の全域です。
区域は次のように分かれていて、どこに当たるかで届出が要る規模が変わります。
| 区分 |
ゾーン・地区 |
該当する用途地域など |
| 一般地域 |
低層住宅系ゾーン |
第一種・第二種低層住居専用地域 |
| 一般地域 |
住宅共存系ゾーン |
第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、準工業地域、市街化調整区域 |
| 一般地域 |
商業系ゾーン |
近隣商業地域、商業地域 |
| 風景づくり重点区域 |
水と緑の風景軸 |
国分寺崖線とその周辺 |
| 風景づくり重点区域 |
界わい形成地区 |
奥沢1~3丁目等 |
敷地が複数のゾーンにまたがるときは、敷地の過半を占めるゾーンの基準を使います。
用途地域は都市計画図で確かめるよう、区は案内しています。
届出が要る規模は、区域によって違う
区の表のうち、木竹の伐採の欄は次のとおりです。
| 区域 |
届出が要る規模 |
| 一般地域(低層住宅系・住宅共存系・商業系の3ゾーン) |
樹林地の面積が1,000平方メートル以上のもの |
| 水と緑の風景軸 |
樹林地の面積が1,000平方メートル以上のもの。 ただし、高さ10m以上の樹木(竹を除く)は樹林地の面積にかかわらず、すべて |
| 奥沢1~3丁目等界わい形成地区 |
水と緑の風景軸と同じ |
一般地域では、3つのゾーンに同じ基準がかかります。
商業系ゾーンも外れていません。
ふつうの住宅の庭で木を1本切る程度なら、1,000平方メートルの樹林地には届かないことが多いはずです。
なお、樹林地の面積には「樹林地と連なる広がりをもった草地等も含む」と注記があります。
気をつけたいのは重点区域です。
水と緑の風景軸と奥沢の界わい形成地区では、高さ10m以上の木なら、1本だけでも面積に関係なく対象になります。
竹はこの「高さ10m以上」の決まりから外れています。
木の高さをどこからどこまで測るかは、区のページには書かれていません。
10m前後で判断に迷うときは、切る前に区へ聞いておくのが確実です。
水と緑の風景軸に入っている町
水と緑の風景軸は、区のページで「国分寺崖線とその周辺」とされ、玉川・砧の両総合支所の管内で次の範囲が挙がっています。
丁目の全域ではなく、番地で区切られている町が多い点に注意してください。
- 玉川田園調布1丁目9番~21番
- 尾山台1・2丁目全域
- 玉堤1・2丁目全域
- 等々力1丁目全域
- 等々力渓谷名勝指定範囲(公有地)
- 野毛1・2・3丁目全域
- 上野毛2丁目全域、上野毛3丁目1番~9番・16番~26番
- 玉川1・2・3・4丁目全域
- 瀬田1丁目1番~18番・24番~26番・29~31番、瀬田2丁目31番~32番、瀬田4丁目1番~16番・19番・36番~41番
- 岡本1丁目1番~4番・6番~11番・17番~21番・23番~39番、岡本2・3丁目全域
- 鎌田3・4丁目全域
- 宇奈根3丁目全域
- 大蔵3・4・5・6丁目全域
- 砧7丁目1番
- 喜多見3・4・5・6・7・8・9丁目全域
- 成城1丁目1番~2番・5番~21番、成城3・4丁目全域
区の手引きの区域図は、水と緑の風景軸の範囲から市街化調整区域を除くとしています。
奥沢の界わい形成地区は、奥沢1・2・3丁目の全域と、奥沢4丁目・5丁目の一部です。
国分寺崖線の斜面には、この届出のほかに崖線そのものの制度もかかります。
そちらは国分寺崖線の斜面で庭木を切る前に。世田谷区の崖線地区と、都が指定する区域にまとめています。
みどりの基本条例の伐採届とは別の手続き
区の「みどりの基本条例に基づく樹木の伐採届について」のページは、伐採届が要る木として、地上1.5メートルの高さで幹周り80センチメートル以上の木と、高さ10メートル以上の木を挙げています。
そのうえで、次のように書いています。
「ただし、『世田谷区風景づくり条例』に基づく『木竹』の伐採の届け出は別に必要となります。
都市整備政策部 都市デザイン課(電話番号 03-6432-7153)に事前に相談ください。」
つまり、水と緑の風景軸で高さ10m以上の木を切る場合は、伐採届と風景づくり条例の届出の両方が要りうる、ということです。
二つの違いを並べると次のようになります。
|
みどりの基本条例の伐採届 |
風景づくり条例の届出 |
| 対象 |
幹周り80cm以上、または高さ10m以上の木 |
区域ごとの規模(上の表) |
| 時期 |
樹木を伐採する前 |
工事着手の原則30日前まで |
| 窓口 |
土地を管轄する総合支所の街づくり課 |
都市整備政策部 都市デザイン課 |
伐採届のくわしい中身は世田谷区で庭木を切る前に。幹周り80センチ以上なら伐採届が要りますに書いています。
伐採届のページには、届け出が要らない場合の一覧もあります。
ただ、その一覧に当たったからといって、風景づくり条例の届出まで要らなくなるとは書かれていません。
別々に確かめてください。
届出までの流れと時期
区の手引きは、手続きを次の順に示しています。
- 事前調査・相談(計画の早い段階で都市デザイン課へ)
- 地域住民への情報提供(個別訪問、説明会、現場への掲示のいずれか一つ)
- 事前調整会議(設計者や事業者、専門家、区の職員で協議。
月2回程度、要予約)
- 届出書の提出
- 完了報告の提出(行為を中止した場合は中止報告)
届出書の期限は、建築確認申請などを伴わない行為では「工事着手の原則30日前」です。
手引きの流れ図では、木竹伐採はこちらに入っています。
事前相談で基準への適合が確かめられた場合などには、届出から着手までの期間を短くできることがある、とも書かれています。
地域住民への情報提供には、意見を募る期間が決まっています。
個別訪問なら最終の訪問日を含めて3日間以上、現場への掲示なら掲示した日を含めて15日間以上です。
事前調整会議の予約は、原則として情報提供と意見募集の期間が終わってから受け付け、締切は原則として会議日の12日前です。
30日前の届出に、その前の段取りが加わります。
切りたい日から逆算すると、ひと月では足りないこともあります。
木竹の伐採の届出では、伐採する木、残す木、移植する木を書き分けた「伐採計画図」を付けます。
完成予定図は、担当職員と協議したうえで、配置図または平面図と、立面図または断面図で代えられます。
都市デザイン課の窓口は予約制です。
郵送での届出も受け付けていますが、その場合も事前に電話で連絡するよう案内されています。
- 担当: 都市整備政策部 都市デザイン課
- 電話: 03-6432-7153
- ファクシミリ: 03-6432-7996
- 場所: 世田谷区役所二子玉川分庁舎(玉川1-20-1)
庭番にご相談いただけること
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採、抜根、剪定、草刈り、庭の片付け、植栽・植え替えを請けています。
下見で、切りたい木の本数、場所、おおよその高さや幹の太さ、残す木と切る木を一緒に整理できます。
その内容は、区への相談や伐採計画図の下書きに使っていただけます。
届出が要るかどうかが分かってから、作業の日取りを決めることもできます。
料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。
ご相談は電話とLINEで。
参考にした資料
この記事は2026年10月時点の世田谷区の公表資料によります。
区域の範囲や届出の基準、窓口は変わることがあります。
作業や相談の前に、区の最新のページを確かめてください。