区への届出・許可
世田谷区で生垣を撤去してフェンスにする前に。助成で植えた生垣と塀の基準
2026-10-23
「生垣の刈り込みが年々きつくなってきました。
全部抜いて、アルミのフェンスかブロックにしようかと思っています。
勝手に撤去してしまっていいものなんでしょうか」。
こういうご相談をいただきます。
ご自宅の生垣でも、植えたときの経緯によっては区の制度と結びついていることがあります。
撤去したあとに建てる塀にも、区が案内している基準があります。
この記事では、撤去の前に確かめることを順に書きます。
まず、その生垣がどこにあり、どう植えられたかを確かめる
| 生垣のある場所・植えたときの経緯 |
確かめること |
窓口 |
| 多摩川風致地区にある(成城・岡本・瀬田・玉川など) |
生垣の伐採と、撤去後の塀・フェンスの設置に許可が要るか |
玉川総合支所街づくり課(03-3702-4513)、砧総合支所街づくり課(03-3482-1398) |
| 区の緑化助成(生垣造成など)を受けて植えた |
撤去してよいか、撤去したらどうなるか |
みどり政策課(03-6432-7905) |
| 敷地250㎡以上で新築・増築したときに、緑化地域制度の緑化率に数えた |
撤去しても緑化率が基準を下回らないか |
みどり政策課(03-6432-7905) |
| 敷地150㎡以上250㎡未満で新築・増築したときに、「みどりの計画書」の緑化基準として植えた |
撤去しても計画書の緑化基準を下回らないか |
計画地を管轄する総合支所街づくり課 |
どれに当たるか分からないときは、住所と建てた時期を伝えてみどり政策課に聞くのが確かです。
多摩川風致地区では、生垣の伐採にも塀の設置にも許可が要る
東京都風致地区条例 第3条1項は、風致地区で「木竹の伐採」と「建築物その他の工作物」の新築などをしようとする者は、あらかじめ許可を受けなければならないと定めています。
許可が要らないのは、「枯損した木竹又は危険な木竹の伐採」(2項5号)や、「建築に係る部分の高さが一・五メートル以下であるもの」(2項10号ニ)などに限られます。
元気な生垣を全部抜く場合や、1.5メートルを超えるフェンス・塀を建てる場合は、工事の前に総合支所街づくり課に相談してください。
詳しくは 成城・岡本・瀬田で庭木を切るときは、区の許可が要ります(多摩川風致地区) に書いています。
区の緑化助成で植えた生垣は、撤去しない前提です
世田谷区の緑化助成のパンフレット(2024年4月発行)には、「植栽後は変更・撤去せず適正に維持管理を行ってください」と書かれています。
「過去に同一敷地または同一建物においてこの助成を受けた方」は対象外なので、植え直すときにもう一度助成を受けることは見込めません。
工事を頼む前にみどり政策課へ相談してください。
申請の順番は 世田谷区の緑化助成は、工事を頼む前に申請します。順番と対象外の条件 に書いています。
緑化率やみどりの計画書に数えた生垣は、減らすと基準を下回る
区のページには、緑化地域制度が適用された建築物は「将来的にも基準以上の緑化率を維持していくことが都市緑地法により義務付けられています」とあり、下回れば「違法状態」となり、植え直しなどで適法にする必要がある、と案内されています。
詳しくは 緑化率で植えた木が育ちすぎた。切ってしまっていいのか(世田谷区) に書いています。
敷地150㎡以上250㎡未満の「みどりの計画書」では、緑化基準が中木(植栽時の高さ1メートル以上2.5メートル未満)の本数で決まっています。
生垣の木をこの本数に数えていた場合は、撤去の前に総合支所街づくり課に確かめてください。
家を建て替える前に。世田谷区のみどりの計画書と、いまある木の扱い も参考にしてください。
境界線の上にある生垣は、隣の家と話してから
民法229条は「境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する」と定めています。
境界線上の生垣は隣の家との共有と推定されることがあり、一方の判断だけで全部抜くと、もめごとになりかねません。
撤去とその後の塀について、先に合意しておいてください。
考え方は 境界線の上に立っている木は、どちらのものか。民法の付合と共有の考え方(世田谷区) に書いています。
撤去したあとの塀は、区の示す基準で選ぶ
区の資料「コンクリートブロック造及び組積造の塀」から、建築基準法施行令の主な基準を抜き出します。
| 項目 |
建築基準法施行令の基準 |
| 高さ |
2.2メートル以下 |
| 壁の厚さ |
高さ2メートル以下は10センチ以上、2メートル超は15センチ以上 |
| 控壁(高さ1.2メートル超の場合) |
長さ3.4メートル以下ごとに、塀の高さの5分の1以上のもの |
| 基礎 |
根入れ深さ30センチ以上 |
区の資料は、施行令は最低限の基準なので日本建築学会の規準で造るのが望ましいとしています。
区の窓口は建築審査課 構造審査(03-6432-7169)です。
撤去の費用と、区の助成の範囲
区の公式ページで確かめた範囲では、生垣を撤去する費用そのものを対象にした制度は見当たりませんでした。
緑化助成は「既存の樹木の撤去・植替えを伴う工事」を対象外としています。
生垣のそばに道路に面した古いブロック塀や大谷石塀があり、あわせて撤去する場合は、ブロック塀等撤去助成(防災街づくり課 03-6432-7177)の対象になるかを確かめてください。
家の建て替えや解体と同時の撤去、交付決定前の着手は対象外です。
生垣の撤去費用は、本数と株の太さ、根を抜くかどうか、枝葉や根の量で変わります。
庭番の伐採の料金表には生垣の長さあたりの料金や抜根の料金は載っていないので、下見のうえで金額をお出しします。
フェンスやブロックを据えるには根まで抜いておく必要があることが多いので、抜根まで見積りに入っているかを確かめてください。
抜根の費用は 世田谷区で切り株の抜根を頼むとき。費用と日数が変わる四つの条件、見積書の見方は 伐採の見積書はどこを見るか。切る費用と処分費が別になる理由(世田谷区) に書いています。
庭番にご相談いただけること
庭番は世田谷区とその周辺で、伐採、抜根、剪定、草刈り、庭の片付け、植栽・植え替えを請けています。
生垣の撤去では、下見で株の本数と太さ、根を抜く範囲、隣の敷地や道路との境目を確かめ、作業の範囲と処分の扱いを見積書に書いてお出しします。
フェンスやブロックの工事は庭番では請けていないので、外構の工事業者に別に頼むことになります。
全部はやめずに低く刈り込んで残す、という相談にも応じます。
ご相談は電話とLINEで。
参考にした資料
この記事は2026年10月時点の世田谷区の公表資料によります。
緑化助成の条件、緑化地域制度とみどりの計画書の運用、風致地区の許可の扱い、ブロック塀等撤去助成の額や対象、塀の基準は変わることがあります。
生垣を撤去する前と塀の工事を頼む前に、区の最新の案内と各窓口で確かめてください。