費用と業者えらび
突然来た剪定業者と契約したら。世田谷区の相談先と特定商取引法のクーリング・オフ
2026-11-01
「昨日、急に来た業者に庭の木を切ってもらったんです。
あとで請求書を見たら、思っていた額と桁が違っていて。
もう切ってしまったのに、今から取り消せるものなんでしょうか」。
ご家族から、こうした相談を受けることがあります。
約束もなく訪ねてきた業者と自宅で結んだ契約は、特定商取引法の「訪問販売」に当たることがあります。
訪問販売なら、一定の期間内はクーリング・オフで契約を解除できます。
e-Govに載っている特定商取引法の条文と、世田谷区消費生活センターの公式ページをもとに、解除できる場合とできない場合、相談先を順に書きます。
区が注意を呼びかけている「点検商法」の手口
世田谷区消費生活センターのページは、台風などの自然災害に便乗した「点検商法」と呼ばれる悪質商法が起きるおそれがある、と注意を呼びかけています。
区の資料「『お宅の屋根を点検します』~点検商法に注意!」には、近くで屋根工事をしているという事業者が屋根を点検し、「すぐに修理したほうが良い」と言って、その場で見積書を出して契約させた事例が載っています。
区がこの資料で挙げている手口の特徴は、次のとおりです。
- 見ず知らずの事業者が突然「点検に来た」と訪ねてくる
- 「大雨が降ったら大変だ」「すぐに修理したほうが良い」と不安をあおる
- 契約を急がせる
- 「傷んでいる」などの説明が事実でない場合もある
区の事例は屋根の話ですが、庭木でも「枝が伸びて危ない」「台風で倒れる」と同じ形の勧誘が考えられます。
区は、その場で契約しないこと、家族や身近な人に相談すること、必要な工事でも複数の事業者から見積もりを取ることを勧めています。
訪問販売なら、書面を受け取った日から8日以内
特定商取引法第9条は、事業者が営業所以外の場所で契約の申込みを受けたり契約を結んだりした場合に、申込みの撤回や契約の解除ができると定めています。
自宅で結んだ剪定の契約も、これに当たりえます。
期間は、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日です。
区のクーリング・オフのページも、訪問販売(キャッチセールス、点検商法など)は8日間で、契約書面を受け取った日を1日目として数えると説明しています。
請求書や見積書を渡されただけでは、この書面に当たるとは限りません。
法定の書面を受け取っていなければ、8日はまだ始まっていません。
| 確かめること |
条文と区の説明 |
| 期間 |
法定の書面を受け取った日から数えて8日(第9条第1項) |
| いつ効力が出るか |
通知を発した時(第9条第2項)。 期間内に出せば有効 |
| 違約金・損害賠償 |
事業者は請求できない(第9条第3項) |
| 支払済みの代金 |
事業者は速やかに返す(第9条第6項) |
| 期間が過ぎたとき |
解除できる方法がうそを言われたり、威迫されたりして期間内に通知できなかった場合は、改めて書面を受け取った日から8日(第9条第1項ただし書) |
区のページは、期間を過ぎても販売方法に問題がある場合は、消費者契約法などで契約を取り消せることもある、とも書いています。
日数が過ぎていても、あきらめずに相談してください。
作業が終わっていても解除できるのか
区のクーリング・オフのページは、「工事などサービスの提供が開始あるいは完了していてもクーリング・オフできます」としています。
条文では第9条第5項がこれに当たり、役務がすでに提供されていても、事業者は役務の対価などの金銭を請求できないと定めています。
第9条第7項は、作業によって土地や建物などの現状が変わったときは、事業者に原状回復に必要な措置を無償で求められると定めています。
ただ、切った枝は元に戻りません。
どこまで求められるかは、消費生活センターで相談しながら確かめるのが確かです。
自分から呼んだ場合も、対象外になるとは限らない
特定商取引法第26条第6項第1号は、「その住居において」契約の申込みや締結を「請求した者」に対して行う訪問販売には、第4条から第10条までを適用しないと定めています。
第9条のクーリング・オフも、この範囲に入ります。
ただし、自分から業者に電話しただけで「請求した者」になるわけではありません。
| 状況 |
条文上の扱い |
| 約束なく訪ねてきた業者と自宅で契約した |
訪問販売として第9条の対象になりうる |
| 契約する意思を前もって持ち、自宅でその契約をしたいとはっきり業者に伝えた |
第26条第6項第1号で適用除外になりうる |
| チラシなどを見て自分で呼んだが、下見の場で思っていたよりずっと高い契約になった |
「請求した者」に当たらず、第9条の対象になりうる |
消費者庁の「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」A2は、「請求した者」とは、契約の申込みや締結をする意思をあらかじめ持ち、自宅でその契約の申込みや締結を行いたいとはっきり意思表示をした場合をいう、としています。
そのうえで、チラシの表示額を見て鍵の修理を頼んだら、自宅で表示額よりはるかに高い額を言われた例を挙げています。
高額な請求額で契約する意思はなかったことが明らかなので、「請求した者」とはいえず、適用除外にはならないと考えられる、という説明です。
庭木でも、チラシを見て自分で電話し、下見の場で高額な契約になった、という形は同じように考えられます。
第26条には、ほかにも政令で決める適用除外があります。
自分から呼んだからといって解除をあきらめず、契約書を手元に置いて消費生活センターに電話してください。
通知の出し方と、世田谷区の相談先
区のクーリング・オフのページは、通知の出し方を次のように説明しています。
- 契約を解除する旨を書面で通知する
- 書面の表と裏をコピーして控えにする
- 郵便局の窓口で、特定記録郵便か簡易書留で出す
- クレジット(信販)契約をしている場合は、信販会社にも同時に通知する
- 契約書面に通知先が書かれていれば、電子メールやFAXなどの電磁的記録でも通知できる。
送ったメールや画面のスクリーンショットを保存しておく
通知文の作成例も、区のページに載っています。
相談先は世田谷区消費生活センター(世田谷区太子堂2丁目16番7号、三軒茶屋分庁舎3階)です。
区は、来所の前にまず電話で相談するよう勧めています。
| 窓口 |
電話番号 |
対象 |
| 消費生活相談専用電話 |
03-3410-6522 |
世田谷区在住・在勤・在学の方 |
| 高齢者(65歳以上)専用電話 |
03-5486-6501 |
消費者被害などの当事者が世田谷区内在住の65歳以上の方 |
受付は月曜日~金曜日の午前9時~午後4時30分(電話・来所)と、土曜日の午前9時~午後3時30分(電話のみ)です。
祝日と年末年始は除きます。
日曜・祝日は、消費者ホットライン「188」(局番なし、午前10時~午後4時、年末年始を除く)が案内されています。
庭番にご相談いただけること
契約の解除そのものは、消費生活センターに相談する話です。
そのうえで、「本当にあの木は危なかったのか」「残った枝をどうすればよいか」が気になるときは、庭番にご相談ください。
下見をして木の今の状態をお伝えし、何をする必要があって、何は急がなくてよいかを分けて説明します。
ほかの業者の見積りと比べるときの見方は、伐採の相見積もりはどう取るか。同じ条件で出してもらうために伝えること(世田谷区)と伐採の追加料金を防ぐには。下見で伝えることと、見積書に書いてもらう範囲にまとめています。
料金の目安はサイトの料金表をご覧ください。
ご相談は電話とLINEで受けています。
参考にした資料
この記事は2026年11月時点の世田谷区の公式ページと、e-Gov法令検索に載っている特定商取引法の条文によります。
法令の改正や区の窓口・受付時間の変更で、内容が変わることがあります。
実際に手続きをする前に、区の最新のページと条文を確かめるか、世田谷区消費生活センターにお問い合わせください。